【アルバム紹介】『ポルノグラフィティ』(『Pornograffitti』)

『ポルノグラフィティ』
エクストリーム

エクストリームの2ndアルバム『ポルノグラフィティ』(1990年)は、バンドにとって大きな転機となる作品です。このアルバムでは、ファンクとメタルを融合させた独自のスタイルをさらに成熟させ、キャッチーでありながらもテクニカルな楽曲群が揃っています。リリース当時から批評的にも商業的にも大成功を収め、エクストリームの名をロック界に広めた重要なアルバムです。

オープニングを飾る「Decadence Dance」は、重厚なギターリフと躍動感あふれるリズムでアルバムの幕を開け、ファンクメタルとしてのバンドの個性を存分に発揮しています。ヌーノ・ベッテンコートの鋭くエッジの効いたギターサウンドとテクニカルなプレイはもちろん、リズムセクションもバンドの一体感を感じさせ、エクストリームの新境地を示しています。

「Li’l Jack Horny」や「Get the Funk Out」といった楽曲では、ファンクの要素がより強く表現されています。特に「Get the Funk Out」は、ヌーノのギタープレイが圧倒的であり、ファンクリズムとメタルの力強さが見事に調和しています。また、ブラスセクションを取り入れたアレンジはロックの枠を超え、エクストリームがいかにジャンルを横断するアーティストかを感じさせます。

アルバムの最大のヒット曲「More Than Words」は、エクストリームのバラードとして象徴的な楽曲です。アコースティックギターだけで構成されたシンプルなアレンジが逆にインパクトを持ち、ゲイリー・シェローンの柔らかくもエモーショナルなボーカルがリスナーの心を捉えます。シングルとしても世界的にヒットし、エクストリームを一躍スターの座に押し上げました。

「Hole Hearted」もまた、アコースティックの魅力を活かした一曲で、フォークの影響も感じさせます。キャッチーなメロディーとリズミカルなギターが心地よく、エクストリームの幅広い音楽性を象徴しています。この楽曲もまたシングルとして成功を収め、バンドの多彩さを証明しました。

アルバム全体として、ファンクとメタルの要素を取り入れながら、随所でポップの要素も感じさせる『ポルノグラフィティ』は、バンドの多面的な才能を示しています。ヌーノ・ベッテンコートのギター技術、ゲイリー・シェローンのボーカル、そして他メンバーのタイトな演奏が絶妙に組み合わさり、完成度の高い作品に仕上がっています。音楽性の幅広さと、キャッチーさのバランスが非常に優れており、彼らのキャリアを代表する一枚といえるでしょう。

エクストリームの音楽的野心と、ジャンルを超えたアプローチが詰まった『ポルノグラフィティ』は、今なおファンから愛され続ける名作であり、ロック史に残るアルバムです。

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