【アルバム紹介】『炎のターゲット』(『Pyromania』)

『炎のターゲット』
デフ・レパード

デフ・レパードの1983年リリースのアルバム『炎のターゲット(Pyromania)』は、バンドにとっての大飛躍作であり、80年代のロックシーンにおける代表的な作品の一つです。このアルバムをきっかけに、デフ・レパードはハードロックとポップを融合させた新しいサウンドで、世界的な成功を収めることになりました。

プロデューサーのロバート・ジョン “マット” ラングと共に、バンドはより洗練されたサウンドと大規模なアリーナ向けの音楽を追求し、これまでのNWOBHM(New Wave of British Heavy Metal)らしい荒削りなエッジから、ポップ感覚とスタジオ技術を駆使した革新的なアルバムを作り上げました。

「Photograph」は、アルバムの中でも特に象徴的なトラックであり、キャッチーなメロディとパワフルなリフ、そしてジョー・エリオットの情熱的なボーカルが見事に融合しています。この曲の成功により、デフ・レパードはMTV時代のビデオクリップで大きな注目を集め、ビジュアル面でもバンドの魅力を最大限に引き出しました。「Photograph」は、シングルとしても大ヒットし、アメリカのロックシーンでバンドをスターダムに押し上げた一曲です。

次に注目すべきは、Rock of Ages。この曲は、印象的なイントロの「Gunter glieben glauten globen」から始まり、パワフルでグルーヴィーなリフとともにエネルギッシュなパフォーマンスを展開します。コーラスは大勢で歌えるようなアリーナロックの典型であり、ライブでも定番となるナンバーです。

「Foolin’」は、バンドの持つバラード的な要素とロックの力強さを融合させた曲で、感情的な歌詞と複雑な構成が特徴的です。イントロのアコースティックな雰囲気から、徐々に盛り上がる展開は、デフ・レパードならではのダイナミックなアプローチがよく表れています。

アルバム全体の音楽的な魅力は、エネルギッシュなギターリフ、キャッチーなメロディ、そしてバンド全体のダイナミクスにあります。スティーヴ・クラークとピート・ウィリスのギターコンビネーションは特筆すべき点であり、特にリフの構築とメロディの両方で強いインパクトを残しています。ただし、アルバム制作中にピート・ウィリスがバンドを脱退し、彼のパートはフィル・コリンが引き継ぐこととなり、以降のデフ・レパードのサウンドに大きな影響を与えることになります。

また、『Pyromania』では、ロバート・ジョン “マット” ラングのプロデュースによる極めて緻密なスタジオワークが大きな役割を果たしており、多重録音されたボーカルやギターの分厚いサウンドがアルバム全体に渡って印象的です。これにより、デフ・レパードの音楽はラジオフレンドリーなポップロックへと昇華し、ロックファンだけでなく、より幅広い層に訴求するものとなりました。

商業的成功も凄まじく、『Pyromania』は全世界で1000万枚以上の売り上げを記録し、バンドは一躍トップアーティストの仲間入りを果たしました。特にアメリカではプラチナディスクを獲得し、1980年代を象徴するアルバムとして今もなお語り継がれています。

総じて、『炎のターゲット』は、ハードロックとポップのバランスが完璧なアルバムとして評価され、デフ・レパードの音楽キャリアの中で最も重要な作品の一つです。このアルバムは、彼らを世界的なスターダムに押し上げ、80年代ロックシーンにおけるクラシックとして、今なおリスナーを魅了し続けています。

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