【アルバム紹介】『ハイ&ドライ』(『High ‘n’ Dry』)

『ハイ&ドライ』
デフ・レパード

デフ・レパードの1981年リリースのアルバム『ハイ&ドライ(High ‘n’ Dry)』は、バンドにとって大きな飛躍をもたらした作品であり、彼らのサウンドがより洗練され、成熟してきたことを示す重要なアルバムです。前作『オン・スルー・ザ・ナイト』の荒削りなエネルギーを残しつつ、より鋭利なプロダクションと強力なソングライティングに焦点を当てたこのアルバムは、バンドの成長を感じさせます。

アルバムのプロデュースを担当したのは、後に彼らの代表作となる『パイロマニア』や『ヒステリア』でも手腕を振るうロバート・ジョン “マット” ラング。彼のプロデュースにより、デフ・レパードは一段とプロフェッショナルなサウンドに進化し、タイトでパワフルな楽曲構成が際立つようになりました。

アルバムのオープニングトラック「Let It Go」は、デフ・レパードの魅力を端的に示すパワフルなハードロックナンバーで、キャッチーなコーラスと疾走感のあるリフが印象的です。この曲からもわかるように、バンドはシンプルでありながら効果的なメロディを武器にしており、その後の成功への道筋をしっかりと固めています。

アルバムの中でも特に注目すべき曲は、「Bringin’ On the Heartbreak」です。このパワーバラードは、デフ・レパードにとって最初の大きなヒット曲となり、彼らの音楽がラジオで広く受け入れられるきっかけを作りました。後にMTVの台頭とともに、この曲のビデオがヘビーローテーションされ、バンドの知名度を一気に高めました。

「High ‘n’ Dry (Saturday Night)」は、デフ・レパードのパーティーロックアンセムとして、ライブでも盛り上がる楽曲の一つです。ダイナミックなリズムとエネルギッシュなリフが特徴で、ロックンロールの楽しさが詰まっています。また、「Switch 625」では、バンドのインストゥルメンタルのスキルが発揮され、特にギターワークが際立っています。この曲は「Bringin’ On the Heartbreak」とつながっており、シームレスに続くことでアルバムに深みを与えています。

『ハイ&ドライ』は、全体的にエネルギッシュでアグレッシブなサウンドが特徴でありながら、メロディのキャッチーさや感情的なバラードのバランスが非常に良いアルバムです。この作品により、デフ・レパードは単なるヘヴィメタルバンドではなく、ポップセンスを持ったハードロックバンドとしての地位を確立しました。また、ロバート・ジョン “マット” ラングの精密なプロダクションによって、ギターリフやボーカルハーモニーの配置が非常にタイトで、曲全体が洗練されています。

商業的には、アルバム自体はそれほど大きな成功を収めなかったものの、後の『パイロマニア』での爆発的な成功に至るまでの礎を築いた作品と言えるでしょう。『ハイ&ドライ』は、デフ・レパードが本格的に国際的な成功を目指し始めた重要な作品であり、その後のモンスターアルバムへの道を開く起点となりました。ハードロックファンにとっては、そのエネルギーと楽曲の完成度からも、バンドのキャリアにおける隠れた名作として評価されています。

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