【アルバム紹介】『ビースト・フロム・ジ・イースト』（『Beast from the East』）

『ビースト・フロム・ジ・イースト』
ドッケン

ドッケンの『ビースト・フロム・ジ・イースト』（Beast from the East）は、1988年にリリースされたライブアルバムで、バンドのキャリアにおいて重要な節目となった作品です。このアルバムは、1980年代を通じてドッケンが築き上げてきた音楽的な遺産を総括するものとして、ファンにとって特別な意味を持っています。

『ビースト・フロム・ジ・イースト』は、日本で行われたライブツアーの録音を中心に構成されており、そのタイトルが示す通り、バンドが東洋の地で収めたパフォーマンスの集大成です。アルバムには、ドッケンの代表的なヒット曲が多数収録されており、バンドのエネルギッシュなライブパフォーマンスを余すところなく伝えています。

オープニングトラックの「Unchain the Night」から、観客の熱狂的な歓声が響き渡り、バンドがステージ上で繰り広げるダイナミックな演奏が聴衆を魅了します。ジョージ・リンチ（George Lynch）のギターはライブでも圧倒的な存在感を放ち、そのテクニカルなプレイと感情豊かな表現力はスタジオアルバム以上に際立っています。

アルバムには、「In My Dreams」や「It’s Not Love」、「The Hunter」など、ドッケンのクラシックナンバーが多数含まれており、これらの楽曲がライブバージョンとして新たな生命を吹き込まれています。特に「Alone Again」は、スタジオバージョンと比較してさらに感情的な深みが増しており、ドン・ドッケン（Don Dokken）のボーカルがリスナーに強く訴えかけるものがあります。

また、このアルバムには新曲「Walk Away」がスタジオ録音として追加収録されています。この曲は、ドッケンのバラードの伝統を受け継ぐもので、感動的なメロディと心に残る歌詞が特徴です。この新曲は、アルバムに新鮮さを加え、ファンにとっての特別なトラックとなっています。

『ビースト・フロム・ジ・イースト』は、バンドのライブのエネルギーを余すところなく捉えたアルバムであり、ドッケンの実力を証明する作品となりました。しかしながら、このアルバムがリリースされた直後、バンド内の緊張が高まり、ジョージ・リンチの脱退とバンドの分裂へと繋がりました。このため、アルバムは一つの時代の終わりを象徴するものとしても位置づけられています。

総じて、『ビースト・フロム・ジ・イースト』は、ドッケンのキャリアの中で特に重要なライブアルバムであり、バンドの全盛期を捉えた貴重な記録です。そのエネルギッシュな演奏とファンの熱狂的な反応は、80年代のハードロックシーンにおけるドッケンの影響力を今なお感じさせるものであり、この時代のハードロックを象徴する作品の一つとして高く評価されています。

Amazon Music Unlimited無料体験はこちら
↓↓↓
Amazon Music Unlimited